株式会社第一計器製作所

圧力計の取扱い及び使用上の注意事項

取扱上の注意

取付状態

圧力計の製造は全て目盛板に向かって垂直方向に取り付けた状態で製造・検査されております。圧力計を垂直方向以外に取り付けますとゼロ点(低圧力ほど顕著)が変化します。必ず垂直に取り付けて下さい。

取付状態

配管取付ねじについて

接続部の取付ねじは、一般に管用平行ねじ(JIS B0202)B級おねじ又は、管用テーパねじ(JIS B0203)おねじを用いています。
管用ねじ以外の場合は、指定ねじ(UNF及びNPT等)受けにて適切に取り付けて下さい。

  1. 管用平行ねじを用いる場合
    平行ねじの先端部にパッキン(銅、SUS、PTFE等)を取付けて、相手側のめねじの底面でシールして下さい。
  2. 管用テーパねじを用いる場合
    おねじにシール材(シールテープ、液体パッキン)等を適切に巻き付け、めねじに締め込んで下さい。

    適切に締め付けていただかないと、受圧媒体が漏れ危険です。

配管取付ねじについて

配管への圧力計の取付方

圧力計ケースを持って回転させないで下さい。必ずねじ部の上にある、六角、四角、二面取り部にスパナをかけて締め付けて下さい。

  • 壁面取付タイプの場合、壁面取付後接続部に無理な力がかかりますと内部機構が歪み故障の原因になります又、締め付ける際の衝撃等でも指示誤差の要因になりますので十分にご注意下さい。
  • 防爆栓付の場合、防爆栓の周辺に空間を設けて、万一の内部破裂時に安全に内圧開放ができ、かつ危険のないように設置して下さい。
配管への圧力計の取付方

埋込形圧力計(D形)の配管への取付上の注意点

剛性が高い配管に直接取り付けた場合、接続部がケースに対して傾く(無理な応力が掛かる)可能性がありますので、応力が掛からない様(フレキシブルチューブ等)考慮していただき取り付けて下さい。応力が掛かると、内部機構に歪が生じ精度不良若しくは目盛板に指針が接触する等の不具合が発生する可能性があります。

埋込形圧力計(D形)の配管への取付上の注意点

使用上の注意

圧力計の測定範囲について

圧力計の常用圧力範囲は、定圧力又は変動圧力によってJIS B7505-1について以下の様に定められています。

JIS抜粋)常用圧力は、次による
  1. 定圧力に対しては、最大圧力の3/4(最大圧力が100MPa以上では2/3)。
  2. 変動圧力に対しては、最大圧力の2/3(最大圧力が100MPa以上では1/2)。
  3. 負のゲージ圧力に対しては、真空部の最大圧力

周囲温度及び受圧媒体温度について

圧力計の一般条件はJIS B7505-1について以下の様に定められています。

JIS抜粋)一般定格条件
  1. 装備場所の環境は、JISC1804の環境区分C、クラスC1とし、次による。その他の条件で使用するときは、受渡当事者間の協定による。
    1. 周囲温度及び圧力媒体温度 –5℃ ~ +45℃
    2. 相対湿度 5% ~ 95%(ただし、氷結なし)
    3. 飛まつ(雨、雪、あられなど)なし

振動について

圧力計への外部振動は避けて下さい。取付配管に振動が生じない場合は問題ありませんが、振動がある場合は対策が必要です。
対策として、グリセリン入圧力計を使用する、振動のない場所に設置する等の対策を行って下さい。

振動について

圧力変動について(脈動・瞬間過大圧等)

圧力が急激に繰り返し変化する場合は、グリセリン入圧力計またはタートルゲージをお勧めします。
また圧力変動抑制対策として、圧力計と配管の間に緩衝装置(ダンプナ、アキュームレータ等)を取り付けて下さい。ダンプナは調整可能なものを使用して圧力計の読み取り可能な状態まで調整して下さい。

腐食性流体について

ブルドン管材質は、黄銅・ステンレス・鋼管等の製作が可能です。
受圧媒体の耐食性がブルドン管材質に適していない場合は、隔膜式圧力計をご使用下さい。
隔膜式圧力計の構造は、圧力計部と隔膜装置の間にダイアフラムを設けた製品です。
材質としてステンレス、チタン、タンタル、ハステロイ、樹脂等が選定可能です
高粘性の受圧媒体の場合も、隔膜が露出している隔膜装置付(ミニ隔膜式圧力計等)を推奨します。

  • 酸素、アセチレン、アンモニア等の受圧媒体を使用する場合は、ご指示下さい。適切な仕様を選定して頂かないと圧力計が破損又は爆発する恐れがあります。
  • 切り粉等の異物が媒体内にあるとブルドン管のリークまたは動作不良の原因となりますので絶対に避けて下さい。
腐食性流体について

圧力計、操作者の保護について

監視されていない状態で圧力計が故障又は破損した場合、受圧媒体が漏れ出し周囲環境(装置等)に損傷をきたす恐れがありますので圧力計導入口の手前にバルブ又はコック等を設け圧力計を監視されていない場合は、閉状態にして圧力計を保護して下さい。

保守及び交換の際にゲージコックを閉状態にして圧力計を大気開放状態にして取り外して下さい。

残圧がある状態で圧力計を取り外しますと内部媒体が飛び出す恐れがあり大変危険です。

計器の運搬の際にはできる限り振動を避けて下さい。落としたり、打ち付けたりする事で計器破損の原因となりますので取り扱いには十分ご注意下さい。